牛肉の品質は
社団法人日本食肉格付協会
によって、
全国共通の基準で
評価されています。
第18回横浜食肉市場ミートフェアで優秀賞
日本の食肉規格格付事業は、昭和36年に公布された畜産物の価格安定等に関する法律の施行とともに実施され、昭和50年に食肉規格格付事業を専門的に行う機関として社団法人日本食肉格付協会が設立されました<畜産振興事業団(現在、独立行政法人 農畜産業振興機構)、都道府県及び全国組織を会員として、日本食肉協議会の格付事業部門を分離継承>。
日本食肉格付協会 は牛・豚枝肉及び牛・豚部分肉の格付事業を柱として、次の事業を実施しています。
●食肉(牛・豚枝肉、部分肉)規格格付に関する事業●食肉格付員の養成及び技術の研修に関する事業●食肉の規格取引の普及推進に関する事業●その他協会の目的を達成するために必要な事業
この日本食肉格付協会によって、全国で生産される牛肉の品質が共通の基準で評価されています。
牛肉の格付けは<A-12>のような記号で表されます。
●歩留まり等級
(例 A-5 B-4 などのアルファベット部分)
A= 部分肉歩留が標準より良いもの
B= 部分肉歩留が標準のもの
C= 部分肉歩留が標準より劣るもの
アルファベットの部分は歩留り等級を3段階(A,B,C)で表しています。一頭の牛から皮、骨、内臓などを取り去った肉を枝肉(えだにく)と呼びますが、全体の大きさに対して枝肉の割合が大きいほど等級が高くなります。 同じ体重の牛でもたくさんの肉が取れる方が効率的で、肉牛の素質としては優秀だと言えます。
●肉質等級
(例 A-5 B-4 などの数字部分)
高 5-4-3-2-1 低
数字の部分は、「脂肪交雑」「肉の色沢」「肉のしまりとキメ」「脂肪の色沢と質」の4項目を数値化して表しています。5段階に分かれていて(1,2,3,4,5)、肉質の等級がすぐ分かるようになっています。 最終的に肉質等級は4項目の総合的な判定から決定されます。
第1の項目=「脂肪交雑」
等級<B.M.S.>
5= かなり良いもの No.8〜No.12
4= やや良いもの No.5〜No.7
3= 標準のもの No.3〜No.4
2= 標準に準ずるもの No.2
1= 劣るもの No.1
霜降の度合いを表しています。 BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)という判定基準で評価されます。
第2の項目=「肉の色沢」
等級<光沢>
5= かなり良いものかなり良いもの
4= やや良いものやや良いもの
3= 標準のもの標準のもの
2= 標準に準ずるもの標準に準ずるもの
1= 劣るもの等級5〜2以外のもの
肉の色と光沢を表しています。 BCS(ビーフ・カラー・スタンダード)という判定基準で評価されます。一般的に鮮鮭色が良いとされています。
また光沢については見た目で評価されます。
第3の項目=「肉のしまりときめ」
等級<きめ>
5= かなり良いものかなり良いもの
4= やや良いものやや良いもの
3= 標準のもの標準のもの
2= 標準に準ずるもの標準に準ずるもの
1= 劣るもの粗いもの
見た目で評価されます。 肉のきめが細かいと、柔らかい食感になります。
第4の項目=「脂肪の色沢と質」
等級<光沢>
5= かなり良いものかなり良いもの
4= やや良いものやや良いもの
3= 標準のもの標準のもの
2= 標準に準ずるもの標準に準ずるもの
1= 劣るもの等級5〜2以外のもの
色が白またはクリーム色を基準に判定され、さらに光沢と質を考慮して評価されます。
●肉質等級の決定
肉質等級は、脂肪交雑・肉の色沢・肉の締まり及びきめ・脂肪の色沢と質の4項目のうち、最も低い等級に格付けされます。
たとえば、各項目の評価が以下の結果の場合
・脂肪交雑……………………5
・肉の色沢……………………4
・肉の締まり及びきめ………5
・脂肪の色沢…………………5
最終的な肉質特級は「4」となります。
●実際の表示
実際の表示では2つの等級を組み合わせてA−5、B−3というように表示しています。歩留まり等級が3段階、肉質等級が5段階ですから牛肉の等級は全部で15段階あることになります。
最高ランクである「A-5」に評価される牛肉はほぼ和牛ですが、その多くが「A-5」の評価を受けることができません。 ごく少数の選び抜かれた牛だけが最高のランクとなります。
一般的に和牛はAクラスに、その他の牛はBクラスに評価されることが多いです。 つまり和牛は1頭から多くの肉を得ることができ、肉用牛として最適な牛であると言うことが出来ます。