最高格付け獲得
架空牧場 <キャットハンズ>の和牛は、たびたび最高格付けの「A5-12」を獲得しています。
和牛では品質を査定する[格付け]という制度が確立されていて、[社団法人日本食肉格付協会]が全国一律の基準で審査をしています。その中でも「A5-12」という審査結果は最高のもので、これ以上の品質は存在しません。牛そのもの血統と、それらを交配させる技術、生まれた子牛の能力を十分に引き出す優れた肥育技術が相まって、初めて生産できるグレードの高い和牛です。
特に2006年10月24日は数々のブランド牛を取り扱っている[加古川食肉センター]で判定された結果でした。高級和牛を見慣れた検査員の厳しい審査で最高格付けを得られたことは、牧場にとってこの上ない誇りです。
しかも架空牧場 <キャットハンズ>では、この牛だけを特別な方法で育てたのではありません。牧場内で同じように育てられた牛の中から、自然に最高級の牛肉が現れてきたです。このことで、 架空牧場 <キャットハンズ>の肥育技術の確かさが証明されました。
北海道や愛知県の牧場の牛が、なぜ兵庫県の加古川で? と思われるかもしれません。
現在、架空牧場 <キャットハンズ>から出荷される黒毛和牛は、大半が生きたままフェリーや陸路で加古川へ運ばれています。これは、最大の消費地が関西であるためで、効率を考えて加工のみを現地で行っているためからです。
牛の胃は四つ
牛は、人間が食べることができない草を栄養に変え、肉や牛乳を作り出してくれます。この優れた機能は、牛に四つの胃袋が備わっていることに関係しています。
食物が最初に入る胃には大量の菌類が住み着き、草を分解します。第2、第3の胃に進むにつれ分解がさらに進み、最後の胃で、人間と同じように栄養を吸収します。この機能を正常に保つには草を食べ続けることが必要で、穀類だけでは生きていくことができません。食べる草の種類が変わっただけで作用する微生物の種類が変わり、効率よく分解することが難しくなるからです。
牛を健康に育てるためには、エサの与え方がとても重要なのです。
ちなみに豚や鶏は「四つの胃」がないために草だけでは生きられず、エサは穀類が主体となります。
牛肉は健康に悪い?
血中コレステロール値を上げる動物性脂肪は健康を害し、それを下げるリノール酸の多い植物油は長生きの元……というのが、これまでの常識でした。しかし近年、動脈硬化や心臓病、ガンやアレルギー過敏症の大きな要因が「リノール酸」のとり過ぎであると言う研究が進みました。血中コレステロールが高い人ほどガンになりにくく、総死亡率が低いという調査もあります。
これらの栄養評価の見直しを受け、日本脂質栄養学会では2002年に「リノール酸摂取を減らす方向へ転換する」という提言を採択しました。動物性脂肪やコレステロールは、脳卒中やガンを予防する効果があるという説も定着しつつあります。
リノール酸の由来は植物ですが、「反芻」を行う家畜(牛や羊など)は、草の消化を助ける体内の菌類がリノール酸を水素添加してつぶしてしまいます。ですから植物をエサにしていても、牛肉やバターはとりわけリノール酸含有量が少なく、タンパク質に富んだ食品です。
牛肉は、長生きのためには欠かせない食品として再評価されつつあります。
3ヶ月で「国産牛」
法律上は、外国種や輸入された牛でも、日本国内で3ヶ月以上飼育されれば「国産牛」として表記することが許されます。ですから、スーパーで「国産」と表示された牛肉を買っても、それが日本で生まれ、ずっと国内で育てられていたと言う安心にはつながりません。
しかし「和牛」の名称にはより厳しい規格があります。品種的には「黒毛和種牛」「褐毛(あかげ)和種牛」「無角和種牛」「日本短角和種牛」の4種類に限られます。しかも、100%日本国内で育てられた牛でなければなりません。
受精卵移植を基本として繁殖・肥育される私たちの和牛はその素性が明らかで、最も安心・安全な牛肉の一つです。
牛に、感謝
年に一度、架空牧場 <キャットハンズ>のスタッフは「畜霊祭」と呼ばれる牛の慰霊式典を行います。ごく、簡単なものではありますが。
私たち暮らしは、肉になってくれる牛たちに支えられています。人間の命は、他の命を「いただく」ことで成り立っています。そんな意味で本社の入り口には「畜霊碑」が建立され、常にここを旅立っていく牛たちへの感謝を捧げたいと思っています。
皆さんにおいしい肉をお届けすることが、牛の命を無駄にしないことであり、私たちができる一番の仕事だと考えています。